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新国立劇場・オペラ新制作「ルチア」の見所

東京都地域編集長 ごろごろmarilyn 2017-03-14 11:02:33

2017年3月14日(火)からはじまった、新国立劇場・新制作のオペラ「ルチア」。

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  撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場

ドニゼッティの華麗でドラマティックな音楽が、今、のりにのっているマエストロ、ジャンパオロ・ビザンティの指揮で上演されました。粋なおしゃれの指揮者です。

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  <記者会見の様子>

公演に先駆けて開催された記者会見では、モンテカルロ歌劇場との共同制作が実現したと、飯守泰次郎芸術監督が顔をほころばせます。

この「ルチア」は、ベルカントオペラの最高傑作と言われています。ベルカントというのは、美しい歌唱という意味だそうで、それを際立たせるためには、歌手達の力量が重要になってきます。

マエストロは言います「私は声を愛し、声を助け、声を支える。そして指揮者の押し付けをしないように心掛けている」。「互いを支え合うこと。それこそがベルカントなのです。歌手、オーケストラ、演出といったすべてがシナジーを生み出すと思っています」と熱く語りました。

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飯守芸術監督は「望みうる最高のキャスティングで、この公演を新制作で上演できる」と胸を張りました。

舞台は、岩に押し寄せる波のプロジェクションマッピングから始まります。ルチア(オルガ・ベレチャッコ)には、エドガルド(イスマエル・ジョルディ)という恋人がいて、ひそかに結婚を誓っています。ところが、ルチアの兄であるエンリーコ(アルトゥール・ルチンスキー)は、政略結婚させるために仲を引き裂き、他の人と結婚させようとします。
絶望のあまりルチアが狂気に走る「狂乱の場」が最大の見どころ。

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  撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場

今回は、普段はフルートで演奏するところを、作曲家が書いたとおりにグラスハーモニカを広い劇場用に作り直したもの(ヴェロフォンと言います)を使って演奏するというのもポイントです。
18世紀から19世紀前半に大流行したこの楽器。演奏は、ガラス楽器専門のサシャ・レッケルトさん。彼はガラス楽器の現代唯一の製作者でもあり、今回の楽器も彼の手によるものです。演奏は、指をワイングラスに入れた水で濡らしながら、楽器であるガラス管の縁も濡らしながら行います。指紋がなくなりそう~。
会場を包み込むデリケートな音が、狂乱の場のアリアをさらに凄惨なものへと導きます。

演出は、モンテカルロ歌劇場総監督のジャン=ルイ・グリンダさん。

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作品に忠実でありながら、新しさを打ち出すことで定評のあるグリンダさんの舞台は、美しく、そして恐ろしい。照明も効果的に使われ、まるで自然光のように横から当てられている場面もあります。

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  撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場
「自然に対する畏怖を表現したいと思っています。強くて荒々しい自然と人間の小ささを対比して見せたい」(ジャン氏)。

そして、ベルカントオペラに必須である歌唱力のある3人の歌手の歌声は言わずもがな。
ロシアのオルガ・ペレチャッコさんは、NYのMETでジルダを歌ったすぐあとの舞台です。

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彼女はベルカントオペラの女王と言われていて、その高度な歌唱技術を自由自在に駆使し、会場をどよめかせます。しかも、この美貌!

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  撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場

ルチアの恋人役は、スペイン人テノール、イスマエル・ジョルディさん。ベルリン、チューリッヒなどで大絶賛されてきました。開演はじめから情熱的に歌い上げ、観客を物語の世界に引き込みます。ふだんは、こんなにおとなしそうな人。

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そして、兄エンリーコ役にバリトン、アルトゥール・ルチンスキーさん。力強く、ダイナミックで、パヴァロッティの代役を務めたことがあるとか。

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  撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場

指揮のジャンパオロ・ビザンティさんの「舞台を歌手と共に作り上げる」という言葉通り、歌手が気持ちよく歌い上げ、歌い終ったあとのビザンティさんの、「よし。最高だ」と言わんばかりの身振りや、指揮棒の動きに彼の心が伝わってきます。

歌手たちが、記者会見で「マエストロの歌手への配慮は特筆に値する」と言っていたのがうなずけました。彼の全身からあふれ出る喜びを感じられるだけで、観客としては幸せです。

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モナコでは、モナコの建国記念日2019年の11月に上演されることが決まっています。

今回、本番前のゲネプロで観せていただきましたが、そのときのカーテンコールが、みなさんはじける笑顔でした。

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 <私の撮影です。下手でごめんなさい>


帰りがけ、狂乱の場のあまりにも美しい曲が口をついて出るのですが、当たり前だけど自分の声にガッカリ・・。




*写真の無断転載を禁じます。
*2017年3月14日現在の情報です。
新制作 オペラ『ルチア』

新国立劇場 オペラパレス
東京都渋谷区本町1-1-1
TEL:03-5351-3011(代表)

日程:
2017年3月14日(火)18時半(終了しました)
3月18日(土)14時
3月20日(月・祝)14時
3月23日(木)14時
3月26日(日)14時

HP:http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/9_007959.html
<税込み>
S:27,000円/A:21,600円/B:15,120円/C:8,640円/D:5,400円
Z:1620円ほか、高齢者割引、学生割引、ジュニア割引チケットなどもありますのでHPからご確認ください。
託児サービスを利用できる日もあります。

ボックスオフィス:03-5352-9999
Webボックスオフィス:http://nntt.pia.jp/event.do?eventCd=1602025&_ga=1.8239664.345852350.1469869056

■新国立劇場へのアクセス
京王新線(都営新宿線乗入)「初台」中央口より改札を右折。新国立劇場 直結。

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東京都地域編集長

ごろごろmarilynさん

東京・下北沢で生まれ、下北沢で育ちました。
司会者として「話したり」、ライターや編集者として「書いたり」、伝えることが仕事です。雑誌にインタビュー記事を書いているので、様々なジャンルの方とお目にかかれるのが楽しみです。
美しいものや美味しいものが大好きで、美術展や、映画、コンサート、オペラ、ミュージカル情報などを織り交ぜながら、ご紹介しています。

5656marilyn@gmail.com

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